並行輸入されている!
当社は、A国の化粧品会社甲の子会社であり、A国で製造したものを輸入して日本で販売しています。
親会社の甲がA国と日本で当社が仕入れる製品の商標権をもっており、子会社である当社が日本で商標権の独占的に使用する許諾をもらっています。
ところが、最近甲の製品が、当社より安い値段で日本で売られているのを見つけました。
当社の販売先ではありませんし、甲から商標の使用の許諾も得ていません。調べてみたのですが偽物ではありませんでした。
どうやら、A国で甲の販売先から安くで仕入れて、それを日本に輸入して販売しているようです。
いわゆる並行輸入ですが、この輸入を差し止めることはできないのでしょうか。
【解決の道筋】
日本では並行輸入は下記の要件を満たす限りでは合法であり(外国では並行輸入が認められていない国もあります)、輸入を差し止めることはできません。
<並行輸入が合法とされる要件>
1.並行輸入商品に付された商標が、輸入元の外国における商標権者又はその商標権者から使用許諾を受けた者により適法に付されたものであること。
2.輸入元の外国における商標権者と日本の商標権者とが同一人であるか、法律的もしくは経済的に同一人と同視しうるような関係にあることにより、並行輸入商品の商標が日本の登録商標と同一の出所を表示するものであること
3.並行輸入された商品と日本の商標権者が登録商標を付した商品とが、その登録商標の保証する品質において実質的に差違がないと評価されること
ただし、たとえ真正品であっても、日本で販売されている他の商品よりも品質でかなり劣るなど、日本の商標が保証する品質よりも著しく劣るような場合には、商標権の侵害と言える場合があります。
【弁護士からのポイント】
日本では原則として並行輸入は合法とされているため、差し止めることは難しい場合が多いです。
そこで、元の生産国のA国で卸売業者や小売店に販売する際に、日本に輸出しないよう制限をつけることが考えられます。
そうすることによって、日本への販売のリスクを減少することができます。
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